後輩の用件は…ありきたりなものだった。 同じピッチャーとして俺を慕っていた彼は… 俺にキャップを手渡して。 「…ひと言お願いします!」 俺もまた、ありきたりな言葉を、けれど気持ちを込めて…… ペンを走らせる。 キャップの裏に書かれた文字は…… 『一球入魂』 試合の全てを左右する俺はピッチャーは……一球一球が勝負。 それを…伝えたかった。 「ありがとうございます!先輩も野球…、頑張って下さい!」 「……おう、またな!」 素直に……嬉しかった。