そのグラウンドに……




一列に並んで、後輩と……監督と…向かい合う。








「先輩達が残した立志伝は、僕達が…語り継いでいきます!!」




「ぶっ…、『立志伝』て…。」




次期キャプテンになる、後輩の挨拶に……



俺はつい、笑ってしまう。




「オラ、里中ぁ~!お前真剣に聞けや。」




コーチに怒声を浴びさせられる。



それすらちょっと…懐かしい。






「…だって…、伝説にしてどうすんだよ。甲子園たったの一回戦負けだ。語るより、塗り替えてよ。」



俺らはその突破口を開いただけ。



「……上を行け!」



悔しいけど、この熱意は……


本日を持って、奴らに託される。






「……ハイ!!」




後輩達が、何度も目元を擦るから……




俺も何だか、泣きたくなった。