野球観戦チケット。
書かれた日時は…、
【6月××日】…。
奇しくも……
東北大会と同じ日にち。
「……?なにそれ?」
すかさず紗枝が身を乗り出すが……
私はそれを、慌てて鞄に押し込めた。
「…ああ…、最悪………。」
そんな私を……
紗枝は不思議そうに見ていた。
私は一人、道を歩きながら……
考えを巡らせていた。
行けなくなったものは仕方ない。
後で中道にメールでも送ろう。
いや、早い方がいい?
「うーん。」
携帯電話を開いて、
文字を打っては…
消して…。
打っては…
消す。
「…やっぱ後でにしよう。」
パタンと携帯を閉じると同時に…、
深い溜め息が出た。
メールを作るのってこんなに難しいもんだっけ?
初めて送るから……かな?
「…………。」
『私…、彼を好きになっていいかな。』
まただ…。
結の声が……
聞こえる。
『……ちょっと待って!何で私にそんなこと聞くの?そもそも、結が誰かを好きになった時に私の意見なんて聞いたことなんてあった?…おかしいよ、結……。』
『…じゃあ…、もう聞かない。…もう好きになったものは仕方ないよね。』
『……結、結は里中くんが好きだったんじゃないの…?』
『…まさか!いい男だと思うけど、彼が好きなのは柚だし。』
『……。』
『…本気だから。』
『……うん。…そっか。なら…、頑張れっ。』
『それが柚の答え?』
『…うん!』
『…良かった…。』
『………。』
『柚。私…、頑張るから。』
『…うん。』
『応援、してくれるよね。』
『……うん。』
『……。ありがと…。』
.
私……、
何であんなこと言ったんだろう。
中道と話すだけで、後ろめたさを感じてしまう。
ただの友達なのに、全てが結に申し訳ない気がして……
これから、普通になんてできるのかな。
もしも……
もしも、二人が付き合ったら……?
「………。」
…有り得ないことじゃないのにな……。
書かれた日時は…、
【6月××日】…。
奇しくも……
東北大会と同じ日にち。
「……?なにそれ?」
すかさず紗枝が身を乗り出すが……
私はそれを、慌てて鞄に押し込めた。
「…ああ…、最悪………。」
そんな私を……
紗枝は不思議そうに見ていた。
私は一人、道を歩きながら……
考えを巡らせていた。
行けなくなったものは仕方ない。
後で中道にメールでも送ろう。
いや、早い方がいい?
「うーん。」
携帯電話を開いて、
文字を打っては…
消して…。
打っては…
消す。
「…やっぱ後でにしよう。」
パタンと携帯を閉じると同時に…、
深い溜め息が出た。
メールを作るのってこんなに難しいもんだっけ?
初めて送るから……かな?
「…………。」
『私…、彼を好きになっていいかな。』
まただ…。
結の声が……
聞こえる。
『……ちょっと待って!何で私にそんなこと聞くの?そもそも、結が誰かを好きになった時に私の意見なんて聞いたことなんてあった?…おかしいよ、結……。』
『…じゃあ…、もう聞かない。…もう好きになったものは仕方ないよね。』
『……結、結は里中くんが好きだったんじゃないの…?』
『…まさか!いい男だと思うけど、彼が好きなのは柚だし。』
『……。』
『…本気だから。』
『……うん。…そっか。なら…、頑張れっ。』
『それが柚の答え?』
『…うん!』
『…良かった…。』
『………。』
『柚。私…、頑張るから。』
『…うん。』
『応援、してくれるよね。』
『……うん。』
『……。ありがと…。』
.
私……、
何であんなこと言ったんだろう。
中道と話すだけで、後ろめたさを感じてしまう。
ただの友達なのに、全てが結に申し訳ない気がして……
これから、普通になんてできるのかな。
もしも……
もしも、二人が付き合ったら……?
「………。」
…有り得ないことじゃないのにな……。


