As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

いとも簡単に…、


躊躇することなく…、



中道は私とアドレスを交換をした。




…それよりも……、



…誘われた。




これって何?
デート?



友達同士で行くのはデートにはならない…?





勢いでOKの返事しちゃったけど……



やっぱりマズイ…?




他の誰でもない、


結を………



傷つけてしまうかな……。








「…早く現実に戻ってこ~い?」



中道の声に、ハッと我に返る。




「…じゃあ、コレっ。……あげる。」



どこかぶっきらぼうに…


今度こそ、チケットを手渡してきた。



「…詳しいことは…、連絡するから。」



「う、うん。」




ぎこちない会話。



中道はフイっと身体を教室の正面に向けると…



けだるそうに、頬杖ついた。



…照れてる…?



いや、
まさか、ね……。









この日、中道は相変わらず野球部を見てから……



のんびりとその場を去った。




「…………。」




中道の頭の中を…


一度、覗けたらなあ……。



てか…、今日はリトルあるのかな。




「…柚。どう?足の具合。」



「…ぎゃっ!」



よほどボーッとしていたのだろう。



紗枝の問い掛けに驚いた私の身体は…、思い切り揺れた。



「わあ、何今の反応?」



「…だって急に声掛けるから……。」



「…見られたくないところを見られたって感じ?」



「……はいい?」



「…なーに見てたんだかね。」



「…別に…、ただ、退屈でボーっとしてただけ。」



「…あっそー。」



何かを見透かすような不敵な笑み。


紗枝は私の隣りにドカッと腰を下ろした。



「…中道くんてさー……」

「…えっ、ナニ?!」



「………ふ~ん…。」



やば…、


過剰反応し過ぎた。




「……里中くんと幼なじみらしーよ。」



「……は?」



それは……



知らなかった。



「…さえちん、情報通だよね。」



「…そりゃあ情報収集を生き甲斐としてますから。」




「…それさあ…、誰に聞いたの?」



まさか…、
本人?



「…里中くんだよ。」



「………。いつの間に仲良く?」