試合を終えた選手達が、続々と流れてくる中で。 一人だけ……、 こっちを見る者がいた。 「里中………。」 目が……合った。 途端に、奴はキャップを取って俺に一礼すると…… また、それを深く被って…… 目元を隠す。 「……。お疲れ…。」 俺もまた、奴に倣って…。 深々と、お辞儀をした。 ……それだけだった。 言葉など…… いらなかった。