私は、いつもの坂道を……、 勢いよく、下っていく。 走って、 走って……。 乱れる呼吸を……整えることもせずに。 私の頬を伝うものが…… 何かの間違いだと思いたかった。 泣く必要なんて、どこにもないはずなのに… どうしても止まらなかった。 時間が経つにつれて、予感が……… 確信へと変わる。 最後まで、勝負にもでることができなかった。 踏み出すことができなかった。 気づいていたはずなのに…。 私は何も…できなかったのだ。