「柚のそーいう所、大好き。」
「…………。」
「……でも。よっっく考えてみようか？俺らは幸いにも同じクラス。一緒にいようと思えばいつでもいれるし…、もう隠す必要もないっつーなら…、こうやって、手だって繋げる。」
中道のあったかい手が……
私の手を握る。
「……まあ、いつものパターンで言えばさ。俺らが公表するより早く……今、また噂になってんだろうな。」
「………。噂？」
「お前の公開告白。」
「……ああっ……。そうだった……。」
またしても………
やらかしてしまった。
しかも今度は……、
うん、自分から。
「……噂じゃなくて本当なんだって、俺は見せつけたいけどね。」
「………うん。」
「……。え。いいの？」
「…だって、嘘じゃないし。」
「…けど、里中……。」
「佳明は私の気持ちは知ってるし、…こうなる可能性があることはわかってるはず。今更気にするなら……、私はアンタと付き合う資格はない。……覚悟の上での告白だったんだから。」
「…そっか。そう…だよな。ごめん、俺がビビってどうするんだってな。」
「…………。」
「なんか……、ようやく手に入ったって実感したかも。」
「…え。今更？」
「……今までだって、俺のせいで嫌な思いだってしたはずなのに……。なのに、俺を選んでくれたんだって…。すげー覚悟だよな。……怖くねーの？」
「…周りに何を言われようが、私にはアンタがいる。それに……、りっちゃんもね。」
「……りっちゃんね。俺あの人には勝てる気しねーな。」
「……。ちなみに、中道の所に行けって言ってくれたのはりっちゃんだよ。」
「！…マジか。……うわあ…、頭上がんねーし。」
「……ホントだよ。結局の所さ。色んな人のお陰で…、今、こうしてアンタといられる。だから……堂々としよう。その人達に、恥ないように。」
「……うん。そうだな。」
どんな苦しみや困難があろうとも。
きっと私達二人は……
もう、大丈夫。
乗り越えていける。
