中道は……
無表情のまま、真っ直ぐに私を見つめる。
「……………。」
「「………………。」」
……あれ……?
無反応…?
もっと、驚くとか……なんかはないの?
「………あの……。」
余りにも、沈黙が続くから。
堪えきれずに、口火を切る。
「……お前……。」
「………!」
「………周り見てみろ。」
「……………あ。」
私達の周りには……
いつの間にか、多くのギャラリーが……!
「……何これ、ドッキリ?」
相変わらず、心情が読み取れない表情のままで……
中道が呟いた。
「……は?」
何をどうしたら……、
そうなる?!
「……だって、なんでこんなに人いる前で……告白してるんだ?」
「………え…。だって…。」
「…ちゃんとケジメつけてからってお前が言ったんじゃん。」
「…そうだけど……。」
「…雰囲気に流されてんじゃねーよ。焦ってつなぎ止めておこうなんて、そんなん中途半端が一番嫌だっつーの。」
「………アンタは……、信じてくれないの?」
「…………。」
「仕方ないじゃん。もう何がどうなってもいいって思っちゃったんだもん。アンタがいなくなると思った瞬間に…、身体が勝手に動いてた。」
「……だったら。他の男とあんなことするか?矛盾してんだろ。」
「………。やっぱり…見たんだね。」
「………。見たくもなかったけどな。」
「……なら、あの時の私は……幸せそうだった?」
「…………!」
「…心から嬉しそうに……笑ってた?」
「………。」
「………だから…、ね。……怖かったんだよ、私。自分から佳明に逃げたのに、結局心は中道に残ったまま。彼を裏切り続けて、結局また…、傷つけた。佳明の気持ちをおさめたかった。気が済むまで……、なんて思ってたけど。怖くて怖くて…、目を逸らしたくなった。でもそれじゃあ駄目だって、土壇場で言いきかせて……。キスを許した。」


