As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

しゃがみ込む私の視界に……、




見覚えのある、スニーカー。





「…………!」




顔を上げると…目の前に。






中道が……立っていた。






「……なか…みち……?」





「…何で……泣いたりなんかすんだ。」




「…………。」




「大体……、泣くようなことか?」




私は…黙ったまま、首を縦に振る。




中道は困った顔をして……。




「……お前が泣くの……、久しぶりに見た。」



ふうっと…



溜め息を吐く。





「…泣くのは……反則だろ…?」




「……中道……、あのね…、」




「…俺は、結局何もしてやれない。だから…、だから、泣かれたら困る。」





「…じゃあ何で戻って来るの…?前みたいに、もう励ましては…くれないの?」



「………。あのなあ…。」



「…………。」




「何で裏切った女に…そんなことしなきゃなんねーの。」




「…………!ちが……」



「言い訳は、しないって言ったじゃん。」



「…でも!」



「お前が…、こんな公衆の面前で喧嘩吹っかけるから。周りに誤解されないように…釘さしに来ただけだから。」



「………。」



「…もういーから。噂んなって困るのは…柚だろ?」



「………。そんなの…、もういい。」



「なら…、俺が困るって言えばわかる?」



「…………中道……。」




「その首。そんなの付けて…、よく他の男んとこ来れるな。」




首………。



キスマーク?!



私は……、慌ててそれを手で覆い隠す。







「弁解の余地もねーな。とにかく…、もう俺に近づかなくていーから。これ以上話ややこしくしたくないし。」



「………。」



「……友達にも…、どうせもう見れないだろうから。本当、これが最後。お前が言う通り…、初めから無理あったのかもな。好きになんて……、ならなきゃよかった。そしたら…、お前のそんな顔、見なくて済んだのに。」