As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

私は大きく頷いて。




「…ありがとう、りっちゃん。」



精一杯の誠意を持って……



律にアタマを下げる。





「……イヤ。今の今まで私はなんもして来れなかったから……。礼なんていらないよ。むしろごめんって感じ。だから…、さ、もしアイツが傷つけたり、また泣きたくなるようなことがあったら…、話くらいは聞くよ。ケツ叩いてやるのが、私の役目。……て、ことで……はよ行ってきな。アイツもきっと、待ってると思うよ?」










私達は……顔を合わせて、ニッと笑う。




ありがとう、律。



好きにならなければ……、なんて、弱気なことを考えてしまった私に……



これ以上ないくらいに、喝を……入れてくれた。








それから私は……




大いに走った。




さっきの場所に戻って来たけれど。




中道の姿は……ない。








どこに……行った?




校内をぐるぐるとまわるけれど……、



片付け作業中の学校にはどこもかしこも生徒だらけ。




むしろ……、この作業が終わって、教室に戻って来てからの方が…確実かもしれない。



でも……!




少しでも早く、アイツに会って……ちゃんと話がしたい。








でも……、



なかなかそう簡単には…、


見つからなかった。










「……結ッ!」



たまたますれ違う生徒達の中に…、結の姿。




「あれ、柚?どうしたの~血相抱えて。」




「…な、中道見なかった?」




「…アハハ、もしや中道くんサボり~?」




「いや…、そうじゃないと思うんだけど……。」




「中道くんならさっき…、ここで会ったけど?」




「…で、どこに……?」



「う~ん。階段に向かってたから……、上に行ったか下に行ったか…?」






有力情報……、ナシか…。





「……。なんか珍しく機嫌悪そうだったな。」



「……えっ。」




「いつもなら……、何だかんだ気に掛けて声くらい掛けて来るんだけど…、目もくれずって感じ。」




「……………そう…。」




「…まさか、喧嘩でもした?」




「…だったらまだいいんだけどね。……とにかく…、ありがと!」