私は……のろのろと、歩みを進めて行く。
きっと……
中道が心配している。
ホントウに……?
心配なんかしてる…?
昨日まで幸せな気分でいたはずだった。
なのにー……
人の気持ちの裏側を知る度に、私は…怖くなる。
信用していた佳明。
いつの間にか心の寄り所にしていたはずの存在…。
その…彼さえも。
まだ…、知らない一面を隠し持っている。
一体何が正しくて……
一体何が間違いだったのか…?
私がもし、中道を好きにならなければー……。
ー…と、思ってしまったその矢先。
自分が向かうその先に……
奴の姿を見つけてしまう。
無意識に……
身体を翻す。
今ー……、中道と顔を合わせるのが怖い。
元きた道へと戻ろうとしたところで…、
「……柚!」
追いかけてきた律が、ガッチリと私の肩を掴んだ。
「……どうした?今、なんか…逃げようとしなかった?」
「……!そんなこと…、ない。」
律にならば…。
話せるかもしれない。
でも……、向こう側に、中道がいる。
気づかれる前に…、今はとにかく…、そう。
逃げるしかない。
恐る恐る振り返り…、
律の顔を見る。
らしくないくらいに、心配そうな顔……。
……と、その奥に。
友達と談笑する中道の姿が……
ぼんやりと見えた。
呑気に……笑ってる。
中道は……、佳明をある意味信用している。
三井くんの時とは違って……、心配なんて…していない。
奴の笑顔に……
目を奪われる。
これまで以上に……、こんなに胸がドキドキするっていうのに……
好きだって、全身がそう言っているのに……。
また私は……、振り出しに戻るの?


