As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

「……簡単に…諦めんじゃねーよ。」




「…………。」



「待てないから…、奪う。そうするのみ。」



「………!」





「…だからお前は。……ちゃんと好きになれ。俺のことだけ…見れるように。」



「…………。」




「お前がふらふらしなきゃ…、きっと、大丈夫だ。」





「…………中道……。」




「……大丈夫。だって俺は……、お前だけしか見えてない。ずっと、ずっと……、いつか柚が振り向かないかって思いながら……、目を離せなかった。」



「…………!」




「…お前とまたこうやって…、この道を歩くことさえないのかと…思ってた。」



「……中道……。」




「なのに…、今、目の前にいる。我慢の限界って…あるんだな。」






中道は……



私をぐいっと引き寄せて……




その胸に、ぎゅっと閉じ込めた。






「真面目なお前のことだから、今すぐ俺んとこに来れないってわかってる。でも……、予約しておくくらいなら、いいだろ…?」



「………?」




「……好きだ。」




「……………。」




中道の鼓動が……

私の鼓動と重なる。





「…全力で、奪いに行く。だから…、ちゃんとけじめがついたら……。……俺と、付き合って下さい。」







こんな日が来るなんて、




思いもしなかった。





私は中道が好きで……



中道も、私を好きだと言う。




想いが重なるその瞬間が……、




まさか、今ここで訪れるなんて……。






「……はい。」




柄にもなく素直になって、小さく小さく呟いたら……。





「……ヤバい、かわいすぎ。」



中道も柄にはなく、私の頭を撫でては……抱く力を更に強めた。






愛情が……


伝わる。





「……早く聞きてーな。」




「……え?」




「…『え?』って…、告白してくれんじゃねーの?」




「……………。」



気持ちは……もう十分伝わったんじゃ…?




「聞きたいじゃん。お前の口から…、『好き』って言葉。」



「……ええっ。言わなきゃ…ダメ?」



「おうよ。ケジメついてからでいいぞ、真面目っこ。」




「…………~っ。」







「…お前が告ってくれたら…、そしたらちゃんと始めよう。」