「…………。」
空が……
茜色に染まっていた。
もうすぐ日が暮れる……
そんな、夕焼け空の下で……
「……上原。」
私を待っていたのは……
「………。な、中道……?」
あいつ………
だった。
「………あんたこんな所で何してんの?」
校門の前でしゃがみ込んで……、
奴が、私を見上げる。
「……実行委員終わるの待ってた。」
「………。」
「さっき、三井に会ったよ。『お疲れ』って声掛けたのに…、アイツ、まるっきり無視してった。」
「……そっか…、残念だったね。」
「……?いや?俺はお前んとこを待ってたんだけど?」
「え。」
……しまった。
さっきあんな話を聞いたから……
思いっきり、勘違いした!
ふぅ~、あぶないあぶない。
「……よし、帰るべ。」
中道は急に、立ち上がる。
「……帰ろう、一緒に。」
「……………。」
えっと……
これって……どうしたら?
別れないと宣言されたその直後に、まさか……
こんな展開が待っているなんて!
返答に困っていると。
「……優柔不断。……いーよ、お前が帰っている後ろで……ちょうど俺も帰りだった。そういうことにしよーぜ。」
「……それって、隣りを歩かないの?」
「……お前がそう望むなら。」
意地悪な答えだ。
私を試さないでよ。
下手したら、
「好き」が溢れ出てしまうじゃない?
「……そういうことなら。……いいよ。」
そしてやっぱり……
素直になんて、なれないんだ……。


