ぽつりぽつりと話す三井先輩は……
まるで、昔を懐かしむようでもあり…、
時折、目を細めながら……
小さく笑った。
私が知らなかった、幼い頃の彼等。
知らないはずの、その姿が……
頭の中で、勝手に映像化していく。
その時、彼等はまだ幼くて……。
酸いも甘いも知らなくて。
真っ直ぐで、
純粋で、
ただ……
同じ夢を抱いていただけだった。
ほんの些細なことが……
深い溝を生むなんて、
誰が予想できたのだろう。
彼等の想いは、
伝わることなく………
時が過ぎていった。
ただ……
それだけだった。
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