「…………はぁ……。」
昇降口で、靴をポイっと投げて……
溜め息をつく。
「……何してるんだろう…、私…。」
中道に、想いを伝えたくて……
能戸くんに、
結に、
誓ったっていうのに……。
今まで自分がしてきたその罪が。
大きな壁となって……
立ち塞がる。
外に出た所で、
「……あれ?柚ちゃん?」
…三井先輩に、呼び止められた。
「……。三井先輩。」
「まだいたんだ?」
「……ハイ。」
こうして見ると、やっぱり三井くんに似ていて…
申し訳ないけど、勝手に嫌悪感を抱いてしまう。
「うっわ~、ナニ、その顔っ。俺何か悪いことした?」
「…………。いえ……、ごめんなさい。八つ当たりですから。」
「…………?ますます聞き捨てならないな。なんだ?らしくないじゃん。……何かあった?」
「…………。」
三井先輩に話すのは……
どうかと思うけど、
無邪気にニコニコするこの人の笑顔を見ていると、何となく……毒牙が抜かれていく気がした。
三井くんの、穏やかな笑顔とはまた違う。
彼の場合は…、そう、仮面をつけた、作られた笑顔なのかも………しれないな。
「ちなみに、恋の相談なら、大歓迎。おにーさんに任せとけ。」
「……お兄さんって…。」
思わず笑うと、
「…弟の同級生だろ?なら、君は妹同然だ。」
「……そう…ですか。」
こんなに、優しくて素敵なお兄さんなのに…(ちょっとエロいけど)
なぜ、三井くんは…
嫌ってるんだろう。
「………。まあ、三角関係はキツイわなー。」
「…………?」
「……イヤ、ね。今日バクダンの所に…、君の想い人と結ちゃんが来たからさ。」
「……そうだったんですか。へぇ~。」
「『へぇ~』って。なんだ。了承済みなワケ?よりによって、双子の片割れと付き合ってるなんて…。報われないよなあ…。」
「……あの……。二人はもう別れてるんです。」
「…え?あ、そうなの?仲良かったし、そんな感じには…見えなかったな。良かったよ、余計なこと言わなくて。」
それは……
二人の間に、もう蟠りはないっていうことかな…。


