ねえ、柚。



あの頃の私たちは…、



きっと、最強だったんだよ。




彼は私達にとって、救世主みたいなもので……




そう。



正義の味方…


だったのかもしれない。





そんなこと言ったら、柚は笑って「天敵だよ」なんていいそうだけど。




私と、あなたの胸の中では……




彼の存在は確実に大きなものであったと、




今もまだ。
はかない思い出と共に……




眠り続けている。







私達の、軌跡のその途中に…


彼の姿はそこに残されたままになっていることを………






過去の自分に、伝えたいとさえ思う。






柚。



あなたはまだ……





待っているの?





あなたを見るその真っ直ぐな瞳を……



忘れてはいないと言うの?








彼が帰ってくるその日を……




信じているのだろうか?