その写真を受けとったのは、中道で……
ヤツは私に、一枚目の写真を手渡してきた。
「笑わなかったお前が悪い。」
「………!」
確かに……、
写真の中の私は、何かを考えこむような…
難しい顔をしている。
……それよりも……!
「…な、中道!」
「…ん?」
「アンタ、いつから私だって……」
「…最初から。後ろ姿で分かったよ。結はそんなに挙動不審じゃない。それに…、お前、演技超ヘタクソ。」
「…気づいてて、なんで?」
「……思い出になるかなって。」
「……?思い出?」
「こうでもしなきゃ、お前とツーショットなんて無理だろうからな。」
「……はあ?堂々と言えばいいじゃん。」
「だからそれだと…、お前が拒否るだろ?」
「…そんなこと……」
……あるかも……。
佳明に……
結に……
誤解されないように、と…。
「……けど、思ったより事態は深刻だな。」
「…………。中道…、アンタ…何を知ってるの。」
「…さっきも言ったけど…、事情は後で話す。だから…、柚。ここは頼む。」
「……えっ…?」
『頼む』って…?
「結の当番時間は、もうちょいしたら終わり。だから……もう少し、結のフリしてて。」
「…中道。アンタは?」
「俺は結を探して連れ戻す。あいつがすっぽかすようなこと……する方がおかしい。」
「………うん。」
確かに……。
結が……
ここにいない。
その事実は……
確かに、おかしい。
責任を放棄するような真似……、
するハズない。
「俺らのクラスの方には…うまく言っておくから。」
「……うん。」
「……一人で…、大丈夫?」
「私は……、大丈夫。」
「お前に手出しするようなことはさせないから。……信じて待って。」
「…………。」
中道……。
アンタはまた、人の為に……。
そう、まるで昨日と同じじゃない。
「……オイ、お前ら。」
中道は……
結のクラスメイトの面々を、じっと睨みつける。


