As Time Goes By ~僕等のかえりみち~






「や……、……やったぁあ~ッ!!」








歓声と、どよめきと……




………涙。




律と何度も抱き合い、




「ほんとにホント!?」




現実を確かめて…


また、抱き合う。




一方の男子も、普段はあまり見せないような喜びようで……



中道もまた、顔を皺くちゃにさせて笑っていた。




男女肩を組んで、はしゃぎ合う姿……。




「よかった…、ほんっとよかった!」



その輪の中に、律と私も入り込む。




「…上原っ、上原っ!!」




無邪気に私を呼ぶその声が……



誰のものであるかなんてわかりきっていた。




「…中道っ。」



この高揚感が……



みんなとの隔たりを崩していく。



その中で……




「マジでとったな、金!」



「うん!中道のおかげ!」



「いや、俺じゃねーだろ、お前の努力が実を結んだな。」



「……うわぁ……、アンタに誉められると何か変~っ。」



「…失礼だな、バーカ!」




全然痛くもないヘッドロック。



「…いたい痛い~ギブギブ!」



「お前が素直じゃないからだ。」





これは、無礼講…。



何もやましいことなどない。



けれど……




「こらこら、離れなさい。」



律に引き離されてしまう。



「りっちゃん、陰の立役者!」



「お。わかってるねえ、中道♪」




何故か抱き合う二人。





てか……、



私とだいぶ扱い違うけど……?!




「役得だなあ、女子とハグできるなんて。」



「バカ、変態っ!」




今度は私が引き剥がした。



「ヤキモチかあ?」



「いーえ!大事な親友に手ェ出すなっ。」









そうやって……



歓喜の渦に酔いしれていると。





『1年2組!代表者は早く登壇しなさい。』



厳しいご指摘。




「中道行きなよ~!」



女子が黄色い声で、奴に促す。



「や、俺はいいよ。誰か違う奴……、ってか、上原、お前行けよ。」



「えっ、いーよ!リーダーは中道でしょ?」



「でも実行委員にピアノに……、一番プレッシャーかかって、一番貢献したのはお前だ。…早く行けっ。」