As Time Goes By ~僕等のかえりみち~








『ただ今より、合唱コンクールの結果発表及び閉会式を始めます。……まずは校長よりご講評いただきます。』







校長先生が、誇らしげに生徒たちを称える中……



私の緊張は、ピークへと達していた。



これまでの練習の真価が問われるその瞬間が…


もうすぐ、やって来る。




あのステージにもう一度上がれるのは……



どのクラス?







『続いて、結果発表に移ります。呼ばれたクラスの生徒はその場に立って、代表者1名、登壇して下さい。』





「…いよいよだね、りっちゃん……」



「……ん。」




心臓が……



張り裂けそう!





『まずは……銅賞。』




ごくりと……




息を飲む。









「……2年5組!」




キャアという歓声と、落胆の溜息が交わう。





「このクラス、何歌ったんだっけ?」



律とプログラムを見ながら確認する。




「…あ~………、〇〇〇かあ…。かなり迫力あったよね!」


「………確かに…。」




優勝だって可笑しくない。


そのくらい圧巻だった。




じゃあ……


銀と金は?



それをも凌ぐ、歌声は……?







『続いて、…銀賞!………』





手を組んで……



必死に願う。



呼ばれて欲しい、



誰もがそう願い………。





『………3年1組!』





「………駄目かあ…、銀くらいならもしやと思ってたけど……。」




律が肩を落とした。




「まだわかんないよ。すっごく良かったもん、うちのクラス。」



「まあそうだけどさ……。」





先輩達は、体育館の後方で喜びを分かち合い……



抱き合いながら、涙する人もいた。




最後の合唱……


その喜びは、計り知れない。







『最後に………、金賞!』








一気に…体育館が鎮まりかえる。





教頭が息をつくその音だけが響いて………










『金賞…………
    1年2組!  』   






私は……



立ち上がった。



隣りの律も、


もちろん、他のクラスメイトも。