「あ、来たっ。見つかった?」
待ち兼ねていた律に…
私は強気の笑顔を見せる。
「…なかった。でも……中道が、アイツが何とかしてくれる。」
「…は?てか、中道は?あんたを探しに行ったけど……。」
「あいつは…今走ってる。」
「…?はい?」
「…私の為に…走ってる。」
「………そう。」
私は律の隣りで体育座りをして……
顔を伏せた。
泣くもんか。
まだ……
泣くもんか!
律はわかったのかわからないのか……
定かではないけれど、何故か私の背中をさすってくれた。
「…よしよし、泣くな。」
「……泣いてない。」
「…泣くのは優勝してからネ。」
「泣いてないもん。」
「…意地っぱり。」
「意地でも張るよ。……負けてなるものか。」
ステージの上に佇むピアノ……。
私はキッとそれをとらえた。


