As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

奴に応えることはできないかもしれない。



それでも……



今私にできることは……






奴を振り回さないこと。



自分のことをしっかり自分で守ること。





あいつの為に、


みんなの為に、


自分の為に………





この学園祭を、成功させること。




合唱コンクールに
喫茶店………。



明日からは、今までの真価が問われる。








「……ピアノ………。」





私は、はた、と気づく。



本番前日………。




今日は音楽室がオープンになっていて、空いていれば…最後の練習ができたはずだった。




他のクラスの生徒は、もう帰っている。



もしかしたら……



練習、できるかもしれない。





本番前日。
最後の通し練習。


たった一度だけの本番さながらの演奏を……


しないで帰って、私は大丈夫なのか……?







中道が、私に鞄を差し出す。




中道は……?


初めての指揮に、プレッシャーはないの?




「…じゃあな、お大事に。」



少しだけ笑って立ち去ろうとする中道の腕を……



私はひき止める。



「……?何?」



「……明日の合唱コンクール……」



「……?ああ、お前トチるなよ~?頑張ろうな。」



ポンっと頭に手が置かれる。




違うよ、中道。
そうじゃなくて………。



「……お前…、緊張してる?」



…見透かされるのはいつものことだけど……



それだけじゃない。



「…中道も……緊張してる?」



聞き返す私の目を、じっと見つめ返す中道。



「…しないわけ…ないじゃん。」




……そうだよね…、


アンタだって、時間のない中で頑張ってきたんだ。




「……あれ?お前もしかして俺の心配してる?」



「…………。」



「大丈夫だって!指揮は間違ってもごまかし利くし。」



「…それじゃあ指揮者賞とれないよ?狙ってるんでしょう?あんた最初に言ったじゃん。」



「…いや、そりゃそうだけど……。てか、お前は何が言いたい?何をしたいの?…わかりづらい!でもって…、気になる。」