As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

「……あなたが倒れたって私を呼びに来た生徒に連れられて現場に行ったら…、その人が、必死にあなたの名前を呼んでたよ。…賢明な判断ね。すぐに周囲に助けを呼んで、それから…ちゃんとあなたの傍を離れなかった。呼吸も脈もあることも確認していた。私が保健室に連れていくって言ったら…迷わずあなたを抱えたっけ。」



まさか……



お姫様だっこ?!



「…違う違う、背中におぶって。」




…しまった。
声に出てた。



「…その子しばらくここにいたんだけどね、私が大丈夫だって念押ししたら『いっぱい仕事のこってる』って、あなたをよろしくって言って戻った。…ていうか、戻らせた。」



「…………?」



「聞けばあなた学園祭の実行委員だって言うじゃない?あんまり心配そうにあなたの傍離れないからさ、追い出した。」



「……そう…ですか…。あの、その人って……?」




「……?彼氏じゃないの?上原さんの。」



「………いや、えっと…」



「ちなみに相手は中道くんて野球部のコだけど。」



「…………!」




やっぱり、中道が……?





「…あなたが疲れてるのに、気づいてあげられなかったって。」




「………そんなの………」





気づかれたくないじゃない?




「……私…、教室に戻ってもいいですか?」



「……寝て少しはスッキリした?頭が痛いとか、目眩とか、吐き気とかは……?」




私は立ち上がり、手足を動かし、頭を軽く横に振って、身体と相談する。



「…全く皆無です!」



「……じゃあ大丈夫かな。ただ、無理は禁物。学園祭のことは他の人に任せて、あなたはもう帰りなさい。」



「……はい、ありがとうございました。」




ペコリと頭をさげて、先生に一礼する。




そして、保健室を出るやいなや………




私は長い長い廊下を、一気に駆け出していった。





責任者である私が……


こんなことしている場合じゃないんです、先生。




すれ違う生徒達は、鞄を抱えていて……



各々に下校していく。