As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

眼鏡の奥…、


彼は何もかも見透かしたかのような瞳で私を見る。




「…あいつの分。」



私は、凝視できなくて。


アイスを受け取ったとほぼ同時に……


くるりと背を向けた。






調理室から戻ってくると…


皆疲れを癒すかのように、


イヤ…、


すっかり中弛みしたと言った方が良いのか、


それぞれにまどろむ姿が見てとれた。




三井くんはさっきと同じ窓際で…


桟にうなだれながらぼうっと外の景色を眺めていた。




「……お疲れ様。」


私は三井くんの隣に並ぶ。


「…まだ終わってないよ。」


彼はくすりと笑う。



「…ずっと立ち通しだったでしょ?」


「それは上原さんも同じじゃん。」


「……ん。」





こうしているうちに……


急激に眠気が襲ってきた。



「…4時まで起きてたって?」


「……!やだ、誰から聞いたの?」



「落合さん。」



「……りっちゃんのおしゃべりめ。」


「…大丈夫なの?」


「うん、もちろん。」


「…イヤ、今はいいかもだけどさあ…、明日合唱の本番じゃん?手、動く?」


「大丈夫、そんなヤワじゃないよ。」



「…ならいいけど……。ホラ、あんなに頑張ってきたんだからさ、ベストな演奏ができるようにしなきゃ。」


「…ははっ、任せて。」



「「………………。」」





…ん?
この沈黙は……?




「…ねえ、上原さんてさ……、里中と付き合ってるんだよね。」


「……そうだよ。」


何…、唐突に……。



「…なのにさあ、中道と噂になったじゃん?」



「…………!」



「実際どうなの?中道が変に絡んでくるのって、二人の間になにかあるから?」


「…な、なにかって…?」