As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

そんなさ中で……



合唱の練習も、着々と進んでいた。



ピアノ伴奏しての練習も行われ……、


指揮者である中道とは、それなりにそれぞれの立場で意見を重ねた。



こういう時に……


リーダーが中道であることに、有り難みを感じる。


け怠い練習であっても、奴の一言で…士気が上がるから。



「…うまいよなあ、ホント。」



楽譜を閉じて…つい呟く。



「…え?指揮が?」



「…あ…、いや、そうじゃなくてさ。クラスまとめるのが。」


「…お前とは違うからな。」


「おっと…。」


「お前もまあまあうまいんじゃないの。」


「…えっ…、上手くまとめてる?」


「…ちがうっての。ピアノが。」


「……でも、必ず同じ所間違っちゃう。」


「努力が足りねーな。」


「…努力してるもん。まいにち結に歌ってもらいながら練習してる。」




『結』の名前に…


中道の表情が、一瞬強張る。


「…結は違うクラスだろ。何巻き込んでんだよ。だいたい結も結だ、他所の合唱曲練習してどーすんだか。」


「………。いや。わたしもあっちの曲歌ってるし。」


「……は?」


「結、アルトらしいんだけど、ソプラノにつられるって言うからさ。私がソプラノ歌ってハモりの練習中。」



「…………。」



あら……。


ひどい呆れ顔してる。



「…お前らってホントしょーもないのな、二人で一人前かっての。」



中道は眉を垂らして…


「…あ、笑った!」


「…笑って何が悪い。」



しまった…


口に出してしまった。



「……しょーもないのはお前の方だなあ。」



「……。どーせ。」




…適度な距離感。


軽く交わせる会話。