As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

「それならそうと、早く言ってよね!」


「…言えるか。敵を欺くには、まずは味方からっていうだろ。」



「…敵って……。」



「…三井先輩のこと。」


「…別に先輩は敵じゃいでしょ?」


「でも、明らかにお前狙い。」


「…はあ?ただ用事あっただけだよ。」


「…何の用事?」



それは……


それは……??



「…基本、隙だらけなんだから、気をつけねーと。」


「…待ってよ、先輩とは……」


「そんなんじゃないって言いたいんだろ?」



「………!」


「お前はすぐ情にほだされるから…気をつけろ。」


「…いつ、私がほだされたのよ。」


「…俺が、いい例だ。」


「………!」


「…好きでもない男にいい顔するな。何されても文句いえないぞ。」



「…………。」


「…間違っても、好きじゃない男とキスするような…、そんな女になるな。」






キスって…。

そんなの、するわけないじゃない。


何をどうしたら、私が先輩とキス……。


「…………。」



壁にもたれかかって、寂しそうに笑う中道。



「…………。」



……私………


キス……してた。


他でもない、この人と……
中道と…
キスをした。




そっか…。


『好きな人じゃない』って認識だったんだ……?



「大事にしてやれよ、彼氏。」



「……。言われなくても…」



私は中道に手を差し出す。


「…よッと……。」


立ち上がる瞬間に…
中道の手が、ぎゅっと強く握って来る。




「…言われなくても、そうする。」


「…ん。なら、よかった。あいつには…気をつけろよ。」


「………?なんで…?」


「直感。」


「それはアテになるのかしら…?」


「男ってもんはなあ、手に入れたいと思ったら手段を選ばない。用心するに越したことないよ。」