As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

「…そうかなぁ?今の、野球部の中道だろ?」


「…そうですけど…、知ってるんですか?」


「まあね、有名だし。」



「……?」


あいつが…?
なにゆえ……?


「…しかし、モテ子ちゃんも大変だな。」


「……は?」


「里中に、中道か……。面白い。」


「………?ところで…話って?」


「………。今の衝撃で忘れちゃったよ。」


「…ええ?」



わざわざ引き止めておいて?!


「…思いだしたら、また話すよ。それよりホラ、待ってるんじゃない?彼。」


「………。」


「…ごめんね、引き止めて。じゃ…。」




本当に何しに来たのか…。

私は先輩の背中を見送った後、大急ぎで、ある場所へとむかった。



君が待つ、音楽室へと向かって……。








滅多に行かない音楽室は、一番と離れた場所にあり……


急いで向かった私は、息を切らしていた。



「……遅い!」



音楽室前でしゃがみ込む中道からの…叱責の声。



「ごめん、もう誰か入っちゃった?」


「そうみたい。」


「……。そっかあ…、なかなか練習できないね。」


私は、肩を落とす。


「…初めから……」


「…え?」


「初めから、空いてなかったけどな。」


「…は?…どーゆーこと?」


入れないって…
知ってたの?



「…だって……」


奴はくすりと笑う。


「…困った顔してたんだもん、お前。」


「……え……?」


「だから…、つい、嘘ついた。ごめん。」




困った顔……してた?



「…それに……、さっき予定表もらってきたんだ。音楽室の利用の順番書いてある。」


中道はズボンからしわくちゃになったプリントを取り出して……



私の目の前に、翳した。