何てこと言うのよ。



これじゃあますます誤解……





「…お前は、俺を見てろよ。」




すぐに……



視界を妨げられる。




「…俺が先に見たかった。」







佳明の額が……私の額に触れた。



ギュッと胸が締め付けられる。





「…ごめん……。」



「…なんで謝る?俺に謝んなきゃいけないようなことが…あったのか?」




「…違う。謝りたいんじゃなくて……。」



「……もういいから、しゃべるな。」






手で口を塞ぎ……



それから佳明は、私を…抱き寄せた。






「……もう…あいつと話さないで。」



「…え……?なん…で?」




だってアイツは友達で……


結の彼氏で……



それだけなのに…?



「あいつが近くにいると、お前は気にする。わかってるんだ、別にどうもならないってことくらい。けど……、お前は嘘をつき通せない。あいつにそれが見抜かれないうちに……、離れて欲しい。」



「……そんな……。」




「…でなきゃ俺はもうお前とは付き合えない。気になって……、野球所じゃねェよ。」






するりと腕が解かれ……




佳明は、寂しそうに笑った。




「…独占欲、強すぎ……。でも、わかって。俺は…お前がいないと駄目になる。」



「…………。」




「…考えといて。俺と…あいつと……どっちを選ぶのか。」




「…なに…それ……。あいつは関係ないじゃん。」



「…なら、縁を切るのは…簡単だろ?」



「……あいつは友達だし。」



「…友達だとしても。俺には……最大の脅威だ。」



「…………。」