As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

夕方から部活があると言って、律は学校に着いて早々に体育館へと駆けて行った。



残された結と私は……



「「かえろっか。」」



いつぶりかに……



二人並んで、帰路についた。




あの日以来…。


雨の日、中道に傘を貸したあの時……。







「日が伸びたね。」


結は空を見上げ、眩しそうに目を細めた。



「ん、そうだね。」



「こうして歩いてるとさ……、昔を思い出さない?」


懐かしそうに…、
結はふふっと笑った。



「影の背ぇ比べに影踏み!一時期大ブームだったじゃん?」


「…うん、そうだね。」



結…、覚えてたんだ。



「…あと、ランドセル持ちもね。」


「そうそう!りっちゃんがいると何故かりっちゃんが負けるんだよね。」



「…アハハ、懐かし~!」



結は何故今…こんな話をするのだろう。


道中、私達は思い出話ばかりで……



今のことは、一切言わなかった。



けれど……



「小さい頃からさぁ、私何でも柚の真似っこしてたよね。」



「……そうだね。」



「…好みも趣味もてんでバラバラでさ…、なのになぜか、羨ましくて……。後ろ姿ばっか追ってた。」



「………。」



「…それは今でも同じで……、欲しいものまで似てきちゃったのかな。…なーんて、ネ。」



「…何よ…いきなり真面目くさって。」



「ん~…。やっと真面目になったって感じかな。いい加減卒業しなきゃね。」



「結…?」



「柚や里中くん見てたら…、やっぱ羨ましくなっちゃった。何でも中途半端にしてきたツケが回ってきたのかもね。私も…頑張らなくちゃ。」



「どうしたの、急に。あんたは手を抜かないじゃん、美容に関しては。」



「アハハッ確かにね。でもそれだけじゃあね。」