As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

「わかるなら、教えてよ。」



「……そんなの…、知らない。」



「…なら!…なら……、勝手なこと言わないで。気になるなら中道に聞けばいいじゃない。…前にも言ったでしょう?私にはアイツのことは関係ない。」



「あの人の気持ちなんて聞かなくてもいい。柚の言葉を…、柚の本心を聞きたい。」



「……意気地なし。」



「………!」



「あんたは何?悔しい思いをしたから何だっていうの?ピアノも陸上も……勝手に結が真似しただけじゃない。私が何でもできるって?そんな訳ないじゃない。一生懸命練習したし、できる限りのことはした。私にできる精一杯で…いつも頑張ってきたつもりだよ。アンタは私の何を見てきたの?羨ましいと思ってたのは私だってそうなのに。かわいくて女の子らしくて、いつも持て囃される結と比べられたことがいくつあったと思ってんの?」


「………。」


「…私なんか気にしてんじゃないよ。気になるなら中道に聞けばいいじゃない。それすらできなくて、どうして私を責められるの?」



「………。」



「出てってよ。」



「…柚……。」



「出てって!」





結は……


何も言い返さなかった。



下唇をギュッと噛み締めて……


目に涙を溜めて……



それでも、あの鋭い視線に揺るぎはなくて……。



悔しいほどに、綺麗だった。




そう……、



あのトルコ桔梗のように……



逞しく、綺麗で、真っ直ぐ。




私が結に敵わないと思っていることなんて……


アンタにはわからないでしょう?



憧れに似た小さな嫉妬が……



大きく膨れ上がっていたなんて、なんで今頃気づかなければいけないの……?