As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

「私は、中道くんのすることを否定するつもりもないし、束縛することもしたくない。…彼を信じてるから。だから……、柚。私は…負けないから。」



「……何言って…」



「いつもそう。柚はなんの苦労もなく何でもできちゃうの。ピアノも、陸上も、友達だって……。いくらわたしが追いつこうとしても、敵わなかった。知らないでしょう?私がどんなに悔しかったか。」



「……結…?」



「初めて同じ土俵に立ったと思ってる。なのに柚は…勝負すらしようとしない。逃げるつもり?」



「………。」



「好きなくせに。…ズルいよ、柚。」




「…結。勝手な憶測してるけど…、私には今、佳明がいる。佳明を好きになった。それが…嘘だと?」



「上辺だけの恋愛だね。私には…わかる。」



「……うわべ…?」



「うん。何してるんだろうね、里中くんも。好きな女をちゃんと振り向かせもしないで…。」




「ちょっと待ってよ。私のことならいくら言っても構わないけど…、佳明の気持ちを踏みにじるようなことは言わないで。」



「…一緒にいて情がうつった?ねえ、それを恋だと勘違いしてない?」



「…なによ。結、アンタは私に喧嘩売ってる?」



「そうかもね。」



「………。」





ねえ…、結。


私達がこんな風に喧嘩したことなんて…今まであったかな。



私の知っている結と


結が知っている私。



双子で、お互いのことが解って、だけど……



もしかして一番解らない相手なのだとしたら……



結のホントの姿も、私のホントの姿も、


どこにあるっているの?


さらけ出す相手はどこにいるっていうの……?



「ねえ、結。」



「……なに。」



「私と中道の間に…何があるっていうの?」


「………。」