As Time Goes By ~僕等のかえりみち~

握る手に、ギュッと力がこもっていた。


歩く度に、佳明の温もりを感じる度に、罪悪感に苛まれてゆく。




きっと…、私より先に、中道に出くわしただろう。



何か…話した?


どうして何も言わないの?




私を見るその瞳は……


まるで全てを見透かすかのように、射ぬくかのように、真っ直ぐで……鋭い眼光。



佳明……。



私は、最低です。




考えちゃいけないのに、


忘れなきゃいけないのに……、





またアイツの顔を思い浮かべてしまう。



いっそ責めてもらえばいい。

罵ってもらえばいい。



そうやって、佳明だけを想えればいい。



けれど……、


そんな勇気もないんだ。



ただ黙って、あなたに好きでいてもらおうとする狡い女。




最低な私………。