ロイドは精一杯平静を装いつつ、ローザンの額を叩く。
 ローザンは尚もからかうような調子で、ロイドに進言した。


「いっそ好きだって言ったらどうですか?」
「言えるか、そんな事! あいつには毛嫌いされている!」


 咄嗟に反論して、直後、しまったと思った。
 これでは好きだと認めたようなものではないか。

 案の定ローザンは、吹き出した。

 ロイドはローザンの胸倉を掴んで引き寄せた。
 至近距離で思い切り睨みつける。


「あいつに余計な事言うなよ」


 ロイドの睨みも、ローザンには一向に通じていない。
 胸倉を掴まれたまま、平然とニコニコしながらロイドに言う。