言った事は出任せではないが、少しは喜ぶかと思ったら、ユイは相変わらず無表情のまま、抑揚のない声で返事をした。

 ロイドはポケットから小鳥ロボットを取り出し、ユイに差し出した。

 スイッチを入れると、小鳥は飛び立ち、ユイの肩に留まった。

 逃げたり、たたき落としたりしないところを見ると、ユイは小鳥が嫌いではないようだ。

 ひとまずロイドはホッとした。

 少し小鳥の説明をして、念のため好きかどうか訊いたら、好きだと答えた。

 ほんの少し、小鳥を見つめるユイの表情が和らいだのに気をよくして、ロイドは思わず顔がほころんだ。

 しかし、続けて小鳥の説明をしている内に、ユイの表情が再び硬くなっていくのが分かった。

 口をつぐみ黙って見つめると、ユイは俯いて目を逸らした。

 ユイが自分を拒絶しているのを悟り、ロイドはクルリと背を向けた。


「じゃあな。おやすみ」
「おやすみ」


 ユイの返事を背中に聞いて、ロイドは自室に戻った。