ランシュは憎しみに燃える目で、ロイドを更に睨む。


「復讐してやる。オレの大切なものを奪ったあなたに、復讐してやる」

「あぁ。いつでも来い。おまえが元気になって戻ってくるなら、復讐でも何でも受けてやる」


 ロイドがそう言うと、ランシュは悔しそうに顔を歪めて、絞り出すようにつぶやいた。


「……できるわけないって思ってるから、そんな事言うんだ……」


 怒りに満ちていたランシュの表情が、徐々に不安と悲しみに変わる。
 彼の目の端から、涙がこぼれて枕を濡らした。


「……先生……オレ、死にたくない。まだやりたい事いっぱいあるのに……。
死にたくない……死ぬのが怖いよ……」