「おまえ、ユイと結婚したら王宮を出て行くのか?」

「そのつもりです。殿下もご立派に成長なさった事ですし、今後は私の代わりにジレット様がいらっしゃれば、寂しい事もないと思います」

「そうか。私は寂しくなるな」


 しんみりとこぼす陛下に、ロイドは笑顔で返す。


「時々お会いしに来ますよ。それにすぐ結婚するわけじゃありませんから、もうしばらくは王宮内にご厄介になります」


 途端に陛下は目をつり上げて怒鳴った。


「何を言っている! さっさと結婚しろ! 三日も寝所を共にしておいて、ユイに失礼だろう? 男としてのけじめはきっちり付けろ!」

「そう仕向けたのは殿下なんですけど……」


 ロイドがガックリ肩を落とすと、陛下は楽しそうに笑った。