「だったら、どうして? あなたの方が迷ってるんじゃないの? 私が帰らないって言ったら困るから」

「そうじゃない。オレはおまえを抱く事に関して、迷いは一切ない。だから、やばいんだ」

「え?」


 ユイは訝しげにロイドを見上げた。
 ロイドはユイを見下ろして、大真面目に答える。


「言っただろう。オレは歯止めのきかない男だ。おまえが途中で怖くなって嫌がっても、止められそうにない。だから、確固たる決意を持って臨んでもらいたい」

「……え……」


 ユイが絶句している隙に、ロイドはクルリと背を向けた。


「少し待ってろ」


 そう言い残して、ロイドはリビングを出て行った。