ロイドは表情を変えることなく、問いかけた。


「いいのか?」
「うん」


 とても、そうは見えなかった。
 ロイドは一層目を細め、軽く額を叩いた。


「無理するな。さっき足がすくんでただろう。急がなくていい。おまえの迷いが完全に消えるまで待ってやる」


 ロイドがサラリとかわそうとすると、ユイは食い下がってきた。


「だから、もう迷ってないってば!」


 このままユイを抱いていると、本当に歯止めがきかなくなる。
 ロイドは腕をほどいて立ち上がった。


「煽るな。もう充分限界なんだ」