「そうね。ラフィット殿下だったら極刑だったかも。それでもあなたは、かばってくれた?」


 全く悪びれた様子のないユイに、ロイドは顔をしかめて再び額を叩いた。


「訊くな」


 二人でリビングに向かおうとした時、入口の扉がノックされた。
 ロイドが応対に出ると、ラクロット氏がそこにいた。
 ユイが殿下の部屋で使っていた生活用品と着替えと小鳥を届けてくれたらしい。

 ロイドはそれを受け取りユイに渡す。

 二人で改めてリビングに向かい、ロイドは入口で足を止めた。

 先日ユイが来た時から、片付けていない。
 床に散らばった機械部品や工具を見つめて、ロイドは少し考える。

 ユイはあと二日、ここにいる事になる。

 自分は慣れているから上手く避けて歩けるが、ユイが踏んで壊したり、足を取られて転んだりしては面倒だ。