「先がありそうだな。行ってみるか」
「うん」
「足元気をつけろよ」


 ロイドはユイの手を握り、先に向かってゆっくり進み始めた。

 少し天井の低い横穴を、背の高い二人は身を屈めてゆっくり進む。
 やがて突き当たりにたどり着き、ロイドはライトで下を照らした。

 壁の下には、更に地下へと続く狭い石段が、暗闇の中に消えていた。


「明らかに人工物だ。おまえの仮説が、いよいよ信憑性を帯びてきたな」


 そう言って振り返ると、ユイは楽しそうに目を輝かせていた。

 まさかとは思っていたが、この先にはユイの言う通り、未知の遺跡が眠っているのかもしれない。
 そう思うと、ロイド自身もなんだかわくわくしてきた。

 古い石段はいつ崩落するとも限らない。ロイドは一段ごとに足元を確認しながら慎重に下りて行った。