本当に余計な事ばかりよく覚えている奴だ。


「余計な事を思い出すな」


 そう言ってユイの額を叩き、ロイドは顔を背けた。
 するとユイは益々おもしろそうにクスクス笑う。

 どうせまた、余計な事を思い出しているに違いない。
 そう思うと照れくさくなって、ロイドは声を荒げた。


「笑うな!」


 再び額を叩くと、ユイは気にも留めず、おもしろそうにロイドを見上げる。


「だって、おかしいんだもん。ローザンも言ってたけど、あなたって、いつもは自信満々で冷静なのに、時々子供っぽいのよね」

「あいつ、余計な事を……」