囁くようにそう言うと、ロイドはメガネを外した。
 ユイは静かに目を閉じる。

 ロイドはユイを抱き寄せ口づけた。

 唇の感触を確かめるように、優しく軽く小刻みにキスを繰り返す。

 自然に身体が傾き始めると、ユイはロイドの背中に腕を回して、しがみついてきた。

 ロイドはそのまま口づけながら、ソファに倒れ込む。
 時々漏れる小さな甘い声と吐息が、次第にロイドの理性を溶かしていった。

 ユイの頬を両手で包み夢中で口づけているうちに、とうとう外れかけていた歯止めが、音を立てて弾け飛んだ気がした。

 頬を包んでいた手が首筋を滑り、鎖骨を撫でて、ユイの着ているベストに阻まれた。

 ベストのボタンを外しながら、少し身体を浮かせた時、背中に回されたユイの腕が滑り落ちた。

 ユイは身動きひとつせず、腕はソファの横にだらりと垂れ下がったままだ。

 覚悟を決めて身を任せているにしては、あまりに無抵抗すぎる。