「地下にあると思うの」
「地下には霊廟があるだけだ」
「だから、もっと地下。東屋の下に古い穴が空いてるって言ってたじゃない」
「あぁ、なるほど!」


 ユイが転落しかけた東屋の穴は、かなり古いものだ。
 ロイドが話した事を、ユイは覚えていたらしい。


「私、あの石段は王子様が壊したんじゃないかと思うの」


 東屋によく行っていた殿下は、たまたま石段を踏み抜き、地下の遺跡を見つけたのではないかと、ユイは言う。

 そして、穴が見つからないように元通りに戻しておいたのだ。

 今回、遺跡の活動期が早まったのは、殿下が遺跡の操作パネルを触ってしまったためだろう。

 そして本人はそのまま異世界に飛ばされたのかもしれない。

 話を聞いて、ロイドは大きく頷いた。