「二十七年前って確か、あなたが遺跡で拾われた時じゃなかったっけ?」
「あぁ」


 ユイも気付いたらしい。


「もしかしてあなた、どこか異世界から来たんじゃないの?!」


 興奮して尋ねるユイに、ロイドは平然と答える。


「そうかもしれないって、この間ブラーヌが言ってたな」
「なんで、そんな平然としてるのよ」
「元の世界も親も記憶にないんだ。どうだっていい」


 ユイがなぜ興奮しているのか、ロイドには分からなかった。

 ユイは本当の親が心配して捜しているだろうと言うが、普通なら二十七年も前にいなくなった年端もいかない子供が、今も無事で生きているとは思えない。

 だがユイが言うには、親なら自分の子供をいつまでも心配しているものらしい。