不思議そうに問いかけるユイに、ロイドは一瞥をくれる。

 ユイがニッポンに帰ると決めたなら、大丈夫だろう。

 ロイドは再び目を逸らして、とつとつと話し始めた。



 胸の奥にため込んでいた様々な想い、これまで考えてきた色々な事、ロイドはユイにそれを話した。

 最初はユイに嫌われていると思っていた事。
 軽い気持ちで殿下の身代わりを押しつけ、危険な目に遭わせて、すまなく思っている事。
 だから、なんとしても無事にニッポンに帰そうと思った事。

 ユイは黙って耳を傾けている。

 ユイの考えを聞いて、何かが吹っ切れたような気がした。
 ロイドはユイの方を向いて、宣言する。


「おまえがニッポンに帰ると決めたなら大丈夫だ。それが歯止めになるだろう」