ユイは満足そうに笑って頷くと、笑顔のままサラリと告げた。


「それと、さっき言った事撤回。大嫌いじゃなくて、大好きだから」
「な、何を言い出すんだ、おまえは!」


 予想もしていなかったユイの言葉に、ロイドは思い切り動揺する。

 すると、遠くから様子を窺っていたローザンが、突然大声を上げた。


「あーっ。そういう事だったんですか」
「何が、そういう事だ」


 ロイドが振り返って尋ねると、ローザンはわざとらしく大きなため息をついて立ち上がり、出入り口に向かって歩き始めた。


「ユイさんのところから帰って、なんかロイドさんの機嫌が悪いと思ったら、やっぱりケンカしてたんですね。仲良すぎるのも目の毒ですけど、仲悪いのはもっと迷惑ですから、勘弁してくださいよ」

「こら待て。仲良すぎるって事はないだろう。どこへ行く」