手渡した紙とペンを受け取り、礼を言うと、ユイは椅子に座り、ロイドを見上げて言った。


「色々考えてみようと思って。王宮内の怪現象や、王子様の失踪の事や、遺跡の事とか」


 何度も危険な目に遭っていながら、まだ懲りてないのかと思うと、ロイドは自然に顔をしかめる。


「余計な事はするなと言っただろう」

「何もしないわ。考えるだけ。気になる事や知りたい事は、自分で動かず、あなたに訊くから。それならいいでしょ?」


 ユイが勝手に動かないというのは、今ひとつ信用できないが、ロイドは渋々承諾する。


「まぁ、それならいいが……。本当に考えるだけにしとけよ」
「うん」