「人払いまでなさって、私にどういった内密のご用件ですか? レフォール殿下」 ユイはすかさず強い口調で言う。 「茶化さないで。こっちに来て」 ロイドは大股でユイの目の前まで歩み寄り、威圧するように背筋を伸ばして、上から見下した。 「何の用だ」 ユイも負けじと、睨み上げながら言う。 「あなた、私を連れて逃げるつもりないでしょう」 「当たり前だ」 ロイドが即答すると、ユイは怒鳴った。