「まだ決めてない」
「いつまで、ここにいるんだ?」
「しばらくは資料の整理がある。一週間くらいはいるかな」
「そうか。オレは今、忙しいんだ。ひとりでも、ちゃんと食えよ」
「あぁ。死にそうになる前には食う事にしよう」
「ったく」


 ロイドはため息と共に、扉を開けて部屋を出た。

 家を出て自転車にまたがった時、ポケットの中の通信機が鳴った。
音からして、ローザンに渡してある方だ。

 ロイドが応答ボタンを押すと、ローザンの必死な声が聞こえてきた。


「ロイドさん! ユイさんの居場所を確認する方法を教えてください!」

「はぁ? 何の事だ?」

「ユイさんの通信機に発信器がついてるんですよね? その信号を読み取る方法です!」