ユイと話していて気が付いた。
 触りさえしなければ、ユイは嫌悪感を露わにしたりはしないようだ。
 こんな風に雑談だけしていれば、ユイに嫌われている事を忘れそうになる。

 忘れてしまう前に、本題に入ろう。


「足の傷は大したことなかったらしいな」
「うん」


 ロイドは眉間にしわを寄せて、ユイを睨む。


「余計な事はするなと言っただろう」


 ユイはキョトンと首を傾げた。


「え? 何の事?」


 とぼけているわけではなさそうだ。
 自覚がないとすると、余計に始末が悪い。