どんなに冷静になって別れを告げても斗真は受け入れてくれなかった。


ずっとあたしを抱き締めたまま離してくれなくて、そのまま眠りについていたあたしが目を覚ますと斗真に優しく髪を撫でられた。



「ずっと起きてたの?」


「目が覚めてメイコがいなくなってたら嫌だし」


「……寝てよ。来週から出張だし、その準備で最近寝てないでしょ」


「大丈夫。俺のことはいいからもう少し寝なよ」



分かってる。こんなに必死になってひき止めてくれるのは、あたしをきちんと愛してくれているから。


それなのにどうしてあたしは斗真と別れようとしてるんだろう……



なんだかまた悲しくなって涙が出てきた。